あるクリスマスの日、赤帽が姉を届けてくれた(2)

年末のバタバタした時期ではあったものの

なんとか診察をしてもらうことが出来たようにおもう。

 

私は大学時代に失恋からうつになったことがあるので、町の心療内科の雰囲気は知っている。

だからそれほど偏見はなかったけれど、大きな精神病院に行くことには少し緊張と興奮をしたことを覚えている。

 

姉は帰ってきてから寝込んでいて、

時々起きては死ぬとか死なないとか、そんな事で両親を困らせていた。

 

医者は、あなたは統合失調症ですねとも、うつ病ともはっきりは言わなかったので、

とにかくがんばってとかは言わないようにしていたものの、

私はうっすら、これうつ病じゃないなーと

気づいていた。

 

ちなみにこの出来事が起きたのが2005年ごろ、

ほんの3年前まで統合失調症精神分裂病という、なんとも恐ろしい名前だったのだ。

 

 

目を離すことが出来なかったので家族で久しぶりに川の字で寝たこと、

朝起きて、これが夢だったら良かったのになんて、散々な気持ちになったこと

 

なんてったって13年も前だ。

当時の記憶はそれくらいしかない。

 

そして私は逃げるように東京へ出て、

一人暮らしを始めた